前日の米株式市場では、NYダウが168ドル安と5日ぶりに反落した。今晩の米8月雇用統計を前にポジション調整売りも膨らんだ。これを受けた、東京株式市場も日経平均株価は朝方下落してスタートした。前日までの4日間で1000円近い上昇となっていたことから、利益確定の動きも出た。ただ、売り一巡後は下値に買いが入りプラス圏に値を上げた。銀行、商社、海運など幅広い業種が買われた。
前日8月31日の米債券市場で長期金利の指標となる10年債利回りが低下し、4.10%と節目の4%が接近した。米金利の低下傾向を受けて海外投資家による株買いが活発化した。米株価指数先物が日本時間1日の取引で堅調に推移したことも日本株買いを誘った。
1日発表の民間調査の8月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が、好不況の境目となる50を上回り、このところ広がっていた中国の景気減速懸念が和らいだ。東京市場では銀行や商社、鉄鋼や海運など幅広い業種に買いが入った。
米長期金利の先高観が後退するなか、海外短期筋が株価指数先物に断続的な買いを入れた。中国の景気回復への期待も追い風となり、上げ幅は一時200円を超えた。東証株価指数(TOPIX)も5日続伸し、約33年ぶりの高値を付けた。
TOPIXがバブル後の戻り高値を更新したことで、関係者からは「日経平均も出遅れ感からバブル後の戻り高値を目指す」、「週末を迎えている割には利食い売りが膨らまず、良好な需給関係が続いていることから、来週も上昇基調は続く可能性が高い」などとの声が聞かれ。先高期待が広がってきている。雇用統計通過後のアク抜けが意識されてきそうだ。
TOPIXの終値は前日比17.75ポイント(0.76%)高の2349.75と、1990年7月20日以来の高値を付けた。JPXプライム150指数は5日続伸し、6.59ポイント(0.63%)高の1044.73だった。