朝方から相場全体の方向感が定まらなかった。国内機関投資家とみられる売りは多かったが、一時1ドル=113円台の円安・ドル高や時間外取引での米国株先物の上昇が買い材料となり、日経平均株価は小幅に反発して取引を終えた。
日経平均が下落すると押し目買いが入る一方、上昇に転じると売りが増えた。「相場を振り回すことの多い欧米系投資ファンドの売買が少なかった」との指摘もあり、日経平均は小動きに終始した。
米税制改革による米景気刺激の思惑や米長期金利の上昇は、商社や非鉄金属など株価純資産倍率(PBR)の低い割安株への資金流入も促した。伊藤忠や住友商が買われ、三菱商はリーマン・ショック前の2008年8月以来の高値を回復した。
TOPIXは反発し、終値は5.98ポイント高の1821.16と、1991年11月14日以来およそ26年1カ月ぶりの高値を付けた。
JPX日経インデックス400は反発。終値は54.03ポイント高の1万6140.42だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆5498億円。売買高は16億6124万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1124、値下がりは837、変わらずは97だった。
個別では、三菱UFJ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクが高く、りそなHD、第一生命HD、東京海上がそろって年初来高値を更新した。住友鉱とJXTGが上昇。いすゞとブリヂストンも上げた。田淵電機、オハラなどが値を飛ばし、チタン工業、RS Technologiesはストップ高に買われた。
一方、無資格検査問題などを背景に足元の受注減が明らかになったSUBARUは7%安で年初来安値を更新した。国内通信市場の競争激化観測からKDDIも同安値を更新。中部電と関西電が下げた。任天堂も軟調。大成建設が値を下げ、ツルハホールディングスも大幅下落した。ペッパーフードサービスが急落、セレスの下げも目立った。
東証1部に新規上場した化学品メーカーの森六は、公開価格の2700円を10%上回る2975円の初値を付けた。終値は初値比3%安の2880円。同じく1部に上場した光学薄膜装置のオプトランの初値は2436円と公開価格の1460円を67%上回った。終値は初値比9.6%安の2200円だった。
東証2部株価指数は前日比38.99ポイント高の7216.14ポイントと続伸した。値上がり銘柄数は202、値下がり銘柄数は238となった。
個別では、JESCOホールディングス、鈴縫工業、日本電通、福留ハム、エイジアなど25銘柄が年初来高値を更新。川崎化成工業、都築電気、エンビプロ・ホールディングス、岡本工作機械製作所が買われた。
一方、クレアホールディングス、価値開発、スーパーバッグ、神島化学工業、昭和ホールディングスなど11銘柄が年初来安値を更新。グローバルダイニング、サイバーステップ、ファステップス、杉村倉庫が売られた。