前日の米国市場は、半導体株などが軟調でNYダウは3日続落だった。これを受けた、この日の日経平均株価は、寄り付きは小幅安で始まったが、その後は買い優勢で午前10時30分過ぎには一時180円超の上昇となる場面があった。
最近売りが目立っていた景気敏感株を中心に押し目買いが入った。
21日まで3日間での下げ幅が370円を超えていたため、割高感が薄れたとみた投資家の買いが優勢だった。相場の堅調さを確認した海外投資家などが株価指数先物の買い戻しを進めると、先物の取引主導で現物株の上昇に拍車がかかった。
中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)の梁華会長が日本企業からの部品調達額について、来年にかけて一段と増やすとの見通しを示したことも支えとなった。主な取引先とされるソニーや京セラ、村田製など電子部品株に物色が広がった。
ただ、米中貿易交渉など不透明要因もあり上値は限られた。
週末を控え、次第に利益確定売りも出て午後は伸び悩んだ。
市場の最大の関心事である米中貿易問題では、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが21日、「米政府は12月に予定する対中追加関税の第4弾の発動を見送る」と報じた。しかし米議会で可決した「香港人権・民主主義法案」にトランプ米大統領が署名すれば、米中対立の激化は避けられないため懸念は残る。情勢が緊迫化する香港で、24日に実施予定の区議会(地方議会)議員選挙の影響を見極めたいとの声も聞かれた。
JPX日経インデックス400は4日ぶりに反発し、終値は前日比18.01ポイント高の1万5107.30だった。東証株価指数(TOPIX)も4日ぶりに反発し、1.96ポイント高の1691.34で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆9031億円。売買高は11億1711万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1079、値下がりは952、変わらずは123だった。