相場全体を押し上げる材料に乏しい一方、中国・上海株や時間外取引の米国株先物の値下がりが嫌気され、前日までに値上がりした銘柄を中心に売りが多かった。
米中貿易協議に対する楽観的な見方がやや後退し、利益確定売りが優勢だった。海外ヘッジファンド勢をはじめ短期志向の投資家が株価指数先物の売りに動き、現物株の重荷になった。半面、個人投資家などによる押し目買いは相場全体を支えた。
日経平均は前日に2万4000円の節目を終値で約1カ月ぶりに回復し、短期的な達成感も意識されやすかった。
香港や上海などアジア株が総じて軟調に推移したことも下押し要因となり、日経平均は午後に下げ幅をやや広げる場面があった。一方、投資余力のある個人は押し目買いに動きやすくなっているとの見方も多く、下値を一段と探る展開にはならなかった。
市場からは「米現地15日に米中両国は貿易協議『第1段階の合意』の署名を行うが、いったん材料出尽くしの可能性がある。中国の出方次第で新たな進展も期待されるが、現状では長引きそうだ。ただ、押し目買い、戻り売りの流れに変わりはない」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は4営業日ぶりに反落した。終値は前日比89.93ポイント安の1万5493.98だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、9.47ポイント安の1731.06で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆168億円。売買高は11億2253万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1256と、全体の6割弱を占めた。値上がりは781、変わらずは122銘柄だった。