
4連休明けとなったきょうの東京株式市場は様子見ムードのなか、日経平均株価は前週末終値近辺でのもみ合いとなったが、結局マイナス圏で着地した。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに安く引けており、外国為替市場でも連休中にドル安・円高方向に振れていたことから、やや風向きが悪い中での取引となった
トランプ米政権が打ち出す高関税政策への警戒感が根強いほか、日本時間あす未明に明らかとなるFOMCの結果やパウエルFRB議長の記者会見を前に持ち高調整の売りも出やすい環境だった。しかし、米中の貿易問題を巡る閣僚級協議がスイスで開かれると伝わったことなどがポジティブに捉えられたもようで、思いのほか株価は底堅く、値上がり銘柄数が値下がりを上回り、TOPIXは9日続伸して引けている。
きょうの東京株式市場でも一時1ドル=142円台に上昇した。主力の輸出関連株に積極的な買いが入りづらく、相場全体の重荷となった。一方、米国と中国が週内に貿易問題を巡る閣僚級協議をスイスで開くと発表した。米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待から上昇する場面もあったが、買いの勢いは続かなかった。
トランプ米大統領は日本の大型連休中に医薬品に対する関税措置を2週間以内に発表すると明らかにしたほか、外国で制作される映画に対して100%の関税を課す考えを示した。これを受け、きょうの東京市場では医薬品株や映画関連株への売りが目立った。とくに下げがきつかったのが医薬品株で、東証プライム市場の業種別株価指数の騰落率ランキングで下落率首位となり、2.73%安で取引を終えた。日米両政府は1日に関税交渉の第2回会合を開いたものの、自動車産業については双方が譲れない展開となり、交渉が膠着しているとの見方も売りを促した。
朝方は上昇して始まり、上げ幅を100円超に広げる場面があった。トランプ米政権は日本時間7日朝、ベッセント米財務長官と米通商代表部(USTR)のグリア代表が今週スイスを訪問し、中国と貿易問題を巡る協議をすると発表。米中交渉の進展期待から株価指数先物に買いが入った。ただ、買い一巡後は売りに押される場面が目立った。市場関係者は、「米中関税交渉が始まること自体は投資家心理の支えになったが、交渉過程で具体的な関税率の引き下げ幅が見えてこない限り、投資家が積極的に買い進む雰囲気は広がらないだろう」と話した。
日本時間8日未明には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えているとあって投資家の様子見姿勢も強かった。市場では、今回のFOMCで政策金利の据え置きを予想する声が多い。米政権の関税政策で米景気の先行きやインフレ再加速への懸念が広がっており、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が今後の金融政策に対してどのような発言をするかに関心が集まっている。結果を見極めたいとの雰囲気から、前営業日の終値(3万6830円)を挟んで方向感に乏しい展開が続いた。