主力株などを中心に買い戻される銘柄が多くなり日経平均は上昇、一時800円近い上げ幅をみせる場面があった。前日の米国株市場では経済指標の発表を受けて米10年債利回りが上昇一服となり、これを背景にハイテク株が買われナスダック総合株価指数が高く引けた。東京市場でも不安心理が和らぎ、先物へのショートカバーを足場に日経平均は大きく切り返す展開になった。ソフトバンクグループ(SBG)などハイテク株の一角に買いが入った。
外国為替市場では1ドル=151円台後半の円安水準で推移したことも追い風材料に。しかし、取引終盤になるとあすの米雇用統計発表を前に手仕舞い売りが表面化し、上げ幅を縮小した。
米サプライマネジメント協会(ISM)が3日発表した3月の非製造業(サービス業)景況感指数は市場予想を下回った。インフレ鈍化が意識されたことが米金利低下を促し、3日の米市場ではハイテク株の上昇が目立った。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は上昇して終えた。東京市場でも多くの半導体関連株は高い水準が続いたものの、株式分割考慮後の上場来高値を更新した東エレクは午後に利益確定売りが出て下げに転じた。日経平均も大引けにかけて急速に上げ幅を縮小した。
東証プライム市場の値上がり銘柄数は約6割だった。伊藤忠は3日午後に発表した2025年3月期(今期)の株主還元方針が引き続き好感され、2カ月ぶりに上場来高値を更新した。市場では上場企業の株主還元強化や資本効率改善の動きが一段と広がる可能性が意識され、日本株買いに弾みが付いたとの見方があった。国内外の2400人の人員削減など構造改革を午後に発表したコニカミノルは一段高となった。