前日の米国株市場でNYダウなど主要株指数が揃って大幅下落したことを受け、リスク回避の売りに押された。
国内外で新型コロナウイルスの感染拡大が勢いを増していることに加え、米国で5日に行われるジョージア州の上院選2議席の決選投票を控え、この結果を見極めたいとの思惑が見送りムードにつながっている。
政府が7日にも東京都など1都3県を対象に緊急事態宣言の再発令を検討すると表明したこともネガティブ材料となっている。下げ幅は一時180円越えた。
ただ、下値では買い板が厚く、アジア株が堅調だったこともあって、前場中盤と後場寄りに日経平均が小幅プラス圏に浮上する場面もあった。半導体関連などを中心にハイテク株に値を上げる銘柄が多く全体相場を支える形となった。
半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が日本に新工場の建設を検討していると複数の台湾地元紙が5日報じ、東エレクやアドテストなどの上昇が目立った。
一方、外国為替市場でドル売りの動きが強まり、円高に振れたことで為替感応度の高い自動車株などが売られた。
午後には東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が、過去2番目となる1200人超確認されたと報じられた。
市場関係者は「景気の先行きに対して極端に悲観的な空気が強まっているわけではないが、緊急事態宣言への警戒感やジョージア州の決選投票を前にしたポジション調整、外国為替市場で徐々に円高・ドル安方向に振れていることなどによって押し下げられた」と指摘した。
JPX日経インデックス400は3日続落し、終値は前日比37.05ポイント安の1万6214.28だった。東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、3.37ポイント安の1791.22で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1336億円。売買高は9億8953万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1184と半分強を占めた。値上がりは897、変わらずは106だった。