朝方は、米長期金利上昇を背景に23日の米国株式市場でナスダック総合指数が下落した流れを受け、ハイテク株中心に売りが先行した。いったん持ち直したが、買いは続かず、再び軟化した。
バイデン米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長を再任すると22日に発表した。量的金融緩和の縮小が順調に進展するとの見方から、米国市場では長期金利が23日に1.6%台後半まで上昇した。金利上昇を嫌気してナスダック総合株価指数は22〜23日に1.8%程度下落し、東京株式市場でも割高感が意識されやすくなった高PER(株価収益率)株への売りが強まった。
午後に入ってもグロース株への売りは止まらずに、日経平均は25日移動平均(22日時点、2万9331円)を下回った。相場動向に追随するCTA(商品投資顧問)などの売りも巻き込んで、下げ幅は560円まで拡大する場面があった。
半面、米金利の上昇を材料視した金融関連株への買いや、外国為替市場で円相場が1ドル=115円台まで下落したのを受けた自動車株への買いは相場を下支えした。
市場からは「調整の範囲内だ。米長期金利の上昇でハイテク株は売られやすく、日経平均は25日線を割り込んできたが、2万9000円割れ水準には中・長期線が控えており、一段の米金利上昇がなければ、下ブレは考えにくい」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続落し、前営業日比23.70ポイント安の2019.12で終えた。JPX日経インデックス400も続落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆7804億円。売買高は12億2187万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1600と、全体の約7割を占めた。値上がりは486銘柄、変わらずは97銘柄だった。