前日の米国株市場では米長期金利の上昇を背景にハイテク株中心に売りがかさみ、特に半導体関連大型株の下げが目立った。これを受けて東京株式市場でも東エレクやアドテスト、レーザーテクなどにリスク回避の戻り売りが続いた。
日経平均株価は一時500円あまり下落する場面もあったが、取引時間中はドル・円相場が円安方向に振れたことで、輸出セクター中心に株価の下支え材料となった。また、先物主導で売りがかさみ全体相場を押し下げたが、アジア株市場では香港ハンセン指数などの下げが目立ち、その連想で見切り売りを誘発した部分もあったようだ。値下がり銘柄数は1300を上回り、全体の80%を占めている。日経平均は大幅な下げをみせたが、売り一巡後は25日移動平均線近辺で下げ止まる形となっている。
中国などアジアの株式相場が下落して始まると、先物主導の売りが勢いを増し、日経平均も下げ幅を広げた。市場では「日米の株高に一服感があり、海外の短期筋が新たに株売りを出しているのではないか」との声が聞かれた。
ホンダやSUBARUなど自動車株の一角には買いが入った。軟調なグロース(成長)株からバリュー(割安)株に資金を移す動きが出た。日本時間夜に米経済指標の発表を控え、売り一巡後は模様眺めの投資家が多かった。
来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)という今年最大のイベントを前に積極的に動こうとする投資家は多くないとの声が聞かれる。また、米国では今夜、10月のJOLT求人件数や11月のISM非製造業景況指数の発表などが予定されている。FF金利先物市場では、来年3月の利下げが7割程度織り込み済みで、市場予想より強い結果となれば、この期待の剥落によるドル買いが進み、米国株式市場にも影響を及ぼしかねないだけに、経済指標の結果と、米金融市場の動きには警戒が必要だろう。