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【大引け概況】


5日の日経平均株価は続落し、終値は前日比347円29銭(0.89%)安の3万8490円17銭だった。日経平均の下げ幅は500円に迫る場面もあった。

 
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きょうはリスク回避ムードの強い展開を余儀なくされた。前日の米国株市場では雇用指標の発表を受け米長期金利が低下、NYダウ、ナスダック総合株価指数など主要株価指数が揃って上昇したものの終始不安定な値動きだった。為替市場では米金利低下を背景に一時ドル売りに拍車がかかり、1ドル=154円台まで円高が進行したことも警戒された。一方、取引時間中は一貫して円安方向に振れたのだが、全体相場は特にこれを好材料視する動きは見られなかった。半導体関連の一角に大口の売りが浴びせられ、これも市場センチメント悪化につながっている。また、世界景気の先行きに対する不透明感が投資家の気勢を削いだ。値下がり銘柄数は1200を超え、プライム市場全体の76%の銘柄が下落する売りニーズの強い地合いだった。
 
前日の米株式市場で主要な米半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下落したのを受け、東京市場でも半導体関連に売りが膨らんだ。海外の空売り投資家から業績面などでの疑問が指摘されたレーザーテクは7.5%安と7日続落した。東エレクとアドテストも下げた。
 
4日発表の米雇用関連指標で求人件数が減少したのを受け米長期金利が低下し、5日の国内債券市場でも長期金利が低下して1%を下回る場面もあった。これまでの金利上昇局面で買われてきた保険や銀行といった金融株には利益確定売りが膨らんだ。世界景気の先行き不透明感から自動車や鉄鋼など景気敏感株も下げた。
 
日本時間今夜の米国市場では5月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)全米雇用リポートとサプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数の発表を控える。来週11〜12日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて米連邦準備理事会(FRB)高官が公の場で金融政策に関する情報発信を控える「ブラックアウト期間」にも入っている。米国では市場予想を下回る経済統計の発表が増えており、日本株についても積極的に押し目買いを入れる展開にはなりにくかった。ニチレイやイオンなど景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ株の一角には買いが向かった。

 


東証株価指数(TOPIX)は続落した。終値は39.26ポイント(1.41%)安の2748.22だった。JPXプライム150指数は4営業日ぶりに反落し、15.12ポイント(1.23%)安の1209.26で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆6224億円、売買高は17億1743万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1246と全体の約76%を占めた。値上がりは363、横ばいは39だった。
 
業種別株価指数(33業種)は保険業、海運業、鉄鋼などが下落。医薬品、不動産業、情報・通信業は上昇した。

個別では、売買代金断トツのレーザーテックが値下がり率でも上位に入る激しい売られ方となった。また、ディスコ、東京エレクトロン、ソシオネクストなど半導体主力株は総じて安い。KDDI、ファナックが下落した。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも売られた。トヨタ自動車、デンソーが軟調、リクルートホールディングスの下げも目立つ。博報堂DYホールディングスが急落、アイネットも大幅安。東京計器も大きく値を下げた。
 
 半面、ソフトバンクグループ(SBG)が商いを伴い逆行高で目を引く。「米投資ファンドのエリオット・マネジメントがSBGに対し、150億ドル相当の自社株買いを開始するよう圧力をかけている」と伝わり、材料視された。ソニーグループもしっかり。霞ヶ関キャピタルが買われ、オリンパスも上昇した。テルモ、第一三共、エーザイなども堅調。永谷園ホールディングスが値上がり率トップとなり、アンビスホールディングスも大幅高。ロート製薬が活況高となり、ユナイテッドアローズも値を上げた。