前日の米国株市場で主要株指数が揃って下落したことを受けリスク回避目的の売りが優勢だった。前日の国際通貨基金(IMF)は12日改定の世界経済見通しで、2021年の実質成長率を5.9%と前回予測から0.1ポイント引き下げた。日本の成長率も2.4%と前回予測から0.4ポイント引き下げ、投資家心理の重荷となった。
為替市場のドル高・円安は輸出セクターにはプラス材料だが、原油価格が上昇基調を続けるなか、企業のコスト負担が増えることへの警戒感も強い。日経平均は朝方安く始まった後、いったんプラス圏に大きく切り返す場面もあったが買いは続かず、再びマイナス圏に沈んだ。業種別では海運や鉄鋼など景気敏感株が売られ、一方で不動産株が買われた。日本時間今晩に9月の米CPIが開示されることで、これを見極めたいとの思惑も買いを手控えさせた。
売り一巡後は下げ渋った。CTA(商品投資顧問)など短期筋が先物の買い戻しを進め、日経平均は上昇に転じる場面もあった。国内の新型コロナウイルスの新規感染者は減少傾向が続いており、経済活動の再開期待も一定の支えになった。
午後に入ると日経平均は小安い水準で膠着感を強めた。日本時間の13日夜に9月の米消費者物価指数(CPI)の公表を控え、次第に様子見ムードが広がった。
市場からは「後場は様子見だ。米9月CPI(消費者物価)やFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の発表を控え、結果待ちといった感じだ。4−9月期決算が始まるまでは国内材料に乏しく、動きづらい」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落。東証株価指数(TOPIX)も続落し、前日比8.85ポイント安の1973.83で終えた。
東証1部の売買代金は概算,2兆4039億円で、約1カ月半ぶりの低水準。売買高は11億1180万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1491と、全体の約7割を占めた。値上がりは608銘柄、変わらずは84銘柄だった。