前日の米株式市場は、NYダウが524ドル高と3日ぶりに急反発。前の日に決算を発表したメタ・プラットフォームズ<META>の株価が急伸しハイテク株などが買われた。これを受け、東京株式市場も堅調にスタート。朝方2万8700円台に乗せてスタートした後、いったん上昇幅は縮小した。しかし、植田総裁の就任後初となる日銀金融政策決定会合の結果が発表され、政策の現状維持が明らかになると午後1時以降、上昇幅は拡大。日経平均株価は2万8800円台まで値を上げ、年初来高値を更新した。
先物主導で一段高となり、大引け間際には上げ幅を400円超まで拡大する場面もあった。
23年1〜3月期の米国内総生産(GDP)で景気の底堅さが確認されたとの見方も、日本株相場の支えとなった。
日銀は28日まで開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の維持を決定した。また、金融緩和政策について、1年から1年半程度かけての多角的なレビュー実施を発表したことから、市場では「レビュー中は金融政策の大転換をしづらく、正常化は遠のいた」との受け止めが広がり、外国為替市場では円安が進行。株式市場では買いが一段と優勢になった。
さて、東京株式市場は大型連休入り直前ながらも米株高、円安を好感して大幅高を演じる1日となった。日銀が市場に警戒されていたイールドカーブコントロールの修正をはっきり見送ったことで安心感が生まれ、円安加速というおまけつきで上振れている。ここ1〜2週間ほどもみ合っていたゾーンを抜けたことで5月相場は2万9000円台が完全に視野に入ってきたといえそうだ。