朝方は軟調な地合いだったが下値は固く、後場は幅広い銘柄に物色の矛先が向き、日経平均は上げ幅を徐々に広げる展開となった。前週末の欧州株市場で主要国の株価が総じて売られ、米国株市場でもNYダウはわずかにプラス圏を維持したが、半導体関連などハイテク株には売りが目立つ状況だった。しかし、東京市場では足もとで進む円安を拠りどころに輸出セクターを中心に買い戻す動きが強まった。後場に入ると先物主導で日経平均は上げ幅を広げ、300円超の上昇で3万8900円台まで水準を切り上げたが、引け際に大口の手仕舞い売りが観測された。
外国為替市場で円相場が1ドル=159円90銭台と約2カ月ぶりの安値まで下落したのを受け、自動車など輸出関連株に買いが優勢だった。
日米金利差を意識した円安・ドル高が足元で再び進行しているのを支えにトヨタをはじめとした自動車株などに買いが集まった。政府・日銀は為替介入に踏み切りにくくなっているという見方もあり、円相場は下値を試す展開となっている。
前週末の米ハイテク株安の流れで東京市場でも半導体関連の一角に売りが先行して朝方を中心に日経平均は下落する場面もあった。しかし、きょう下落が目立ったアジア株と比べて日経平均は相対的に底堅く推移していたなかで、海外短期筋とみられる株価指数先物への買いが強まった。