きょうの東京株式市場はリスク回避の売りに押される展開だった。前日の欧州株市場が全面安だったほか、米国株市場でもNYダウはわずかにプラス圏で引けたものの、ハイテク株に売りが目立ちナスダック総合株価指数は4日続落となり、投資家心理を冷やしている。米国ではFRBの金融引き締めに伴うリセッション懸念が相場の上値を重くしており、東京市場でもこの地合いを引き継ぐ格好となった。
トヨタやソニーGなど主力株への売りが膨らみ、日経平均の下げ幅は200円を超える場面があった。
あすにメジャーSQ算出を控え、先物主導で日経平均は不安定な値動きだったが、下値では押し目買いが厚かった。中国政府がゼロコロナ政策を漸次緩和する動きをみせるなか香港株が上昇し、これを横目に東京株式市場でも下げ幅を縮小する動きとなった。結局日経平均は110円あまりの下げにとどまり、2万7500円台をキープして取引を終えている。
中国の衛生当局が午後に新型コロナウイルス対策の防疫措置に関する記者会見を開く予定で、一段と規制が緩和されるとの期待が高まった。香港政府も防疫規制の追加緩和を検討していると伝わり、香港株式相場が上昇。朝は安く始まった上海株式相場も底堅く推移し、投資家心理の改善につながった。短期筋による株価指数先物への買いが入り、現物株にも買いが波及した。
市場では「日本の株式市場が頼みとする米国株式市場も、来週13−14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を控え動きにくくなっており、方向感が出にくい相場となりそう」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続落し、6.81ポイント(0.35%)安の1941.50で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆6996億円、売買高は10億9111万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1096と、全体の約6割を占めた。値上がりは630、変わらずは110銘柄だった。