前日の米国株市場では、米10年債利回りが3.6%台半ばまで上昇したことを嫌気してハイテク株が売られ、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落した。しかし、東京市場では外国為替市場で1ドル=132円台半ばまで進んだドル高・円安を拠りどころに朝方は買いが先行した。輸出採算の改善を期待して電気機器や機械といった輸出関連株の一角に買いが先行した。前日の米長期金利の上昇を背景にした金融関連株への買いも相場を支えた。
ただ、上げ幅は一時100円を超えたが、国内企業業績への警戒感も拭えないなかで買いは続かなかった。
その後は日経平均の上値の重さが意識され上げ幅を縮小、後場に入ると更に値を消す展開となり前日終値を下回る水準で推移した。
前日に今期業績を下方修正したJFEが急落してほかの鉄鋼株にも売りが波及するなど、主力銘柄の業績への警戒も投資家心理の重荷になった。
一方、下値では押し目買い意欲が旺盛で日経平均の下げ幅はわずかにとどまった。米長期金利上昇を受けてメガバンクなどが買われ、全体相場を下支えした。
市場からは「下値を売る雰囲気はなく、もう一段上の可能性もあるが、日経平均2万8000円を前に売り物が出やすく、買い戻しも一巡したとみられる。上げへの期待があっても、反動安リスクもつきまとう」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸し、終値は前日比4.18ポイント(0.21%)高の1983.40で終えた。