前日の欧米株全面安を受けて日経平均が終始軟調な値動きとなった。米国株市場では半導体関連が売られており、東京株式市場でも半導体主力株の一角に売りを誘発した。
円相場がやや円高・ドル安方向に振れると、海外短期筋が株価指数先物に売りの勢いを増し、日経平均の下げ幅は400円を超える場面があった。
ただ、好決算を発表した銘柄に買いが集まり全体相場を支えた。日銀の金融政策決定会合の結果は「現状維持」だったが、これは事前に織り込みが進んでいたことで株価への影響は軽微だった。大型株には総じて弱い銘柄が目立ったものの、中小型株への物色意欲は旺盛だったといえる。TOPIXもマイナス圏で引けたが値上がり銘柄数は全体の約7割を占めており、小型株優位の地合いを反映した。一方、売買代金は前日の水準には届かなかったが、5兆円近くに膨らむなど活況となっている。
30日のNYダウ工業株30種平均などが下落した。なかでも主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前日比3%を超える下げとなり、東京市場でも東エレクやスクリンなどに売りが出た。外国為替市場で円相場が1ドル=152円台後半と円高・ドル安に傾いた局面で株価指数先物への売りが出て、日経平均は下げ幅を広げた。前日までの3営業日で1300円あまり上げており、目先の利益を確定する売りも出やすかった。
決算発表した個別銘柄の売買が中心だった。前日に発表した京セラや日立、エムスリーなどが売られた一方で、好決算だった半導体製造装置のアドバンテストが1銘柄で日経平均を約145円下支えした。日経平均が心理的な節目の3万9000円を下回る水準では投資家の押し目買いの意欲も強く、底堅かった。
日銀は31日まで開いた金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決めた。据え置きは想定内との受け止めから株式市場での反応は限られた。
米株安と円高を受けて終日マイナス圏で推移。直近で連騰していただけに月末要因もあって本日の下げは仕方ないところがある。注目の日銀金融政策会合は利上げ見送りが既定路線で材料とならず。一方、米長期金利は上昇基調をキープしており円安の素地は十分に整っている。トランプラリーは今しばらく続きそうで、金利が想定上に跳ねあがらない限りは二進一退的な相場が続こう。