日経平均株価は前日終値を挟んでプラス圏とマイナス圏を行ったり来たりの展開となった。前日の米国株市場はメモリアルデーのため休場となり、手掛かり材料に事欠いた。
朝方は買いが優勢で、日経平均は寄り後に高く推移したが、その後は売りに押されマイナス圏に沈んだ。原油価格の上昇を警戒するムードが強かったが、発表された中国の経済指標を受け、前場後半は買い戻される流れとなり、前引け時点ではプラス圏で着地。アジア株高も投資家心理の改善を後押しした。しかし、後場に入ると利益確定の動きが徐々に強まる地合いに。前日に先物主導で日経平均は600円近い上昇をみせていたこともあり、上値は重かった。
原油価格の上昇により、日本経済への悪影響を警戒する売りが優勢だった。一方、中国の経済指標で景気悪化ペースに鈍化が見られたことは支援材料となった。前日の大幅高を受けて利益確定売りに上値を抑えられ、終日方向感に欠ける展開だった。
欧州連合(EU)がロシア産石油の禁輸で合意したことを受け、ニューヨーク原油先物相場が上昇基調となっており、日本時間31日午後の取引で一時1バレル119ドルに接近。東京市場では石油関連株に買いが入りINPEXは年初来高値を更新した。半面、資源価格の上昇が国内の企業収益や家計を圧迫し、景気減速につながるとの懸念が相場全体の重荷となった。
31日に中国国家統計局などが発表した5月の購買担当者景気指数(PMI)は、前月と比べ上昇し市場予想を上回った。中国・上海市が、新型コロナウイルス感染拡大で続けてきた都市封鎖(ロックダウン)を6月1日に解除する見通しとなったこともあり、東京市場で投資家心理の一定の支えとなった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆5088億円と、4月の市場再編後で最高だった。株価指数を開発・算出するMSCIによる株価指数への採用銘柄変更に伴う売買が膨らんだ。
ただ、日経平均が前日までの2営業日で750円超上昇したことで、短期筋による戻り待ちや利益確定の売りが出て上値は重かった。市場では「2万7500円前後に積み上がる戻り売りを消化できれば、2万8000円付近まで上昇余地がある」との見方があった。
東証株価指数(TOPIX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前日比9.77ポイント(0.51%)安の1912.67だった。