朝方は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演を受けて前週末の米国株式が上昇した流れを好感し、買いが先行した。為替相場の落ち着きや時間外取引での米株価指数先物高も支えとなり、堅調展開となった。
中国・上海総合指数の上昇も後押しし、上げ幅を広げ、後場後半には一時2万2838円06銭(前週末比236円29銭高)まで上昇する場面があった。
先物の上昇が現物株市場での裁定買いを誘い、ファストリやファナックなど値がさ株が上昇した。両銘柄に東エレクを加えた3銘柄の上昇だけで日経平均を50円程度押し上げた
その後も大引けにかけて高値圏で推移した。
もっとも、日経平均は節目の2万3000円を目指す展開とはならなかった。市場では「米中摩擦やトルコなど新興国経済を巡る不透明感は根強く残り、休場明けのトルコ市場や週後半にかけての中国経済統計などを見極めたい」との声もあった。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前週末比19.75ポイント高の1728.95で終えた。JPX日経インデックス400も続伸。終値は168.37ポイント高の1万5287.75だった。
東証1部の売買代金は、1兆8434億円と7日連続で2兆円を割り込んだ。2兆円割れの連続記録としては2017年8月21日〜29日の7日連続に並ぶ。
東証1部の売買高は10億4583万株で、値上がり銘柄数は1767、値下がりは273、変わらずは65銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は、非鉄金属、石油・石炭製品、電気機器、パルプ・紙などが上昇。下落は空運業、海運業など。
個別では、任天堂、ソフトバンクG、トヨタ自、ファーストリテ、ソニーなど売買代金上位は全般堅調。村田製、太陽誘電といった電子部品株の上昇が目立ったほか、キーエンスなどその他ハイテク株も高い。
トヨタ、ホンダ、値を上げ、資生堂も上昇。昭和シェルが上げた。JFE、住友鉱、コスモエネルギが買われ、三菱商、日本紙は堅調。不正融資問題に揺れるスルガ銀は短期資金が向かい7%超上昇した。また、オルトプラスは新作ゲームの好発進で3日連続のストップ高となった。
一方、シャープが安い。KDDIやNTTといった通信大手の一角が逆行安。菅官房長官の発言を受けて携帯電話料金の引き下げ懸念が再燃したようだ。
JTは軟調。エーザイ、JAL、商船三井は値を下げた。また、公募増資等の実施を発表した琉球銀などが東証1部下落率上位に顔を出した。
東証2部株価指数は前週末比58.44ポイント高の7162.97ポイントと続伸した。
出来高8365万株。値上がり銘柄数は332、値下がり銘柄数は107となった。
個別では、アルメディオ、大興電子通信がストップ高。プレミアムウォーターホールディングス、ICDAホールディングス、東洋刃物、明星電気、キョウデンなど8銘柄は年初来高値を更新。エスビー食品、ファステップス、アライドテレシスホールディングス、コーア商事ホールディングス、原田工業が買われた。
一方、シノブフーズ、ダイサン、西川ゴム工業、大和重工、ダイハツディーゼルなど9銘柄が年初来安値を更新。ヨネックス、パス、キクカワエンタープライズ、フライトホールディングス、日本ハウズイングが売られた。