朝方から、株価指数先物に運用リスクを回避する海外ヘッジファンドなどの売りが出た。
米中貿易摩擦問題に解決の糸口が見えないなか、トランプ米大統領がメキシコからの全輸入品に対する追加関税引き上げを発表するなど、通商摩擦問題への警戒感が依然として強い。
前週末のNYダウが急反落となったことからも、石油や海運、非鉄金属などの景気敏感株が幅広く売られた。日経平均の下げ幅は一時300円に迫った。
円相場が1ドル=108円台前半となり、主要な輸出企業の一部の2020年3月期の想定と比べて円高・ドル安に進んだ。業績の悪化につながるとの懸念から、自動車株などに売りが出た。
一方、午後に下げ幅を縮小する場面があった。内需や業績が景気動向に左右されにくい陸運や不動産といった内需関連や電力・ガスなどに買いが入った。
また、日銀のETF買い期待や目先空売り筋の買い戻しで後半下げ渋る動きとなったが、値下がり銘柄数は全体の8割以上を占めるなど終始売り圧力の強い地合いだった。
市場からは「貿易問題に為替相場も気になる水準になってきた。売り一巡後は下げ渋ってはいるが、底入れ感はなく、日経平均2万円が見え隠れしている。仮に戻っても自律反発程度だろう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は4日続落した。終値は前週末比104.00ポイント安の1万3357.64だった。
東証株価指数(TOPIX)も4日続落し、13.32ポイント安の1498.96だった。1月4日の大発会以来、ほぼ5カ月ぶりに節目の1500を下回って終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1136億円。売買高は12億2894万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1782銘柄、値上がり312銘柄、変わらず46銘柄だった。