前日の米国株市場では主要株指数が高安まちまちでナスダック総合指数は最高値を更新したもののNYダウは反落となった。これを受けてきょうの東京株式市場も気迷いムードで朝方安く始まり、その後も方向感に乏しいなか、2万3000円台前半でのもみ合いに終始した。
前日に一時400円超高となったこともあり、朝方から利益確定の売りが先行した。前日の米株式相場が高安まちまちだったこともあり、積極的にリスクを取ろうとする動きは限られた。
安倍晋三首相の後継を選ぶ自民党総裁選で菅義偉官房長官が優位になるとの見方から、現政権の政策が継続するのではとの期待も高まり、下落幅は限定的だった。売り買いともに材料に乏しく、方向感を欠いた。
一方で、中国の8月の製造業購買担当者景気指数が約10年ぶりの高水準となったことで世界経済の先行きへの楽観的な見方が広がった。さらに自民党総務会は1日、安倍晋三首相の後継を選ぶ総裁選で、党員投票の実施を見送ることを決定。2日に立候補を表明する予定の菅氏に有利との観測が浮上した。経済、金融、新型コロナウイルス対策が新政権でも引き継がれるとの思惑が相場を支えた。
ただ、「菅氏の政策のビジョンは不明で、解散・総選挙の時期も分からない」との声もあり、先行き不透明感は依然残る。このため、先高期待から買う投資家も少なく、戻り待ちの売りや利益確定売りに上値を抑えられやすかった。市場では、「しばらく足踏み状態が続くかもしれない}との声があった。
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが投資していたことが8月31日に分かった三菱商、三井物、伊藤忠、丸紅、住友商はこの日も引き続き買われた。
JPX日経インデックス400は小反落。終値は前日比13.68ポイント安の1万4597.58だった。東証株価指数(TOPIX)も小反落で、2.37ポイント安の1615.81で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆8612億円。売買高は10億2769万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1162と、全体の5割強を占めた。値上がりは915、変わらずは94銘柄だった。