朝方こそ気迷いムードで売り買いを交錯させたが、その後は広範囲に買い戻しが入り日経平均は次第高の展開となった。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて切り返す動きとなり、米国ではNYダウが5連騰と気を吐いたものの、エヌビディア<NVDA>が急落するなど半導体関連株の下げがきつく、ナスダック総合株価指数は3日続落となった。これを受けて東京株式市場では半導体セクターの主力株などに売りがかさみ、リスク回避ムードも漂ったが、銀行や保険などの金融株や自動車株、エネルギー関連株が買われるなどバリュー株中心に投資資金が流入し、全体相場を押し上げた。
PBR(株価純資産倍率)が相対的に低い銘柄で構成する東証株価指数(TOPIX)バリュー指数の上昇率は2.22%と、TOPIXグロース指数の上昇率(1.20%)を上回った。
時価総額と流動性が高い主力の大型株30銘柄で構成する「TOPIXコア30」が午後の取引終了にかけて上げ幅を拡大した。投資家が受け取った配当金を再投資にまわしているとの観測があり、トヨタなどの主力銘柄への買いが目立った。一方、前日の米市場でハイテク株が下落したことから、東エレクやソフトバンクグループ(SBG)は朝方から売りが優勢だった。ただ、午後は下げ渋った。