
朝方はリスクオフの地合いが意識された。前日の欧州株市場が全面安商状となり、独DAXが急落。米国株市場でもNYダウが600ドル超の下落をみせるなど荒れた値動きで、日経平均も下値を試す展開を余儀なくされるとみられた。ところが、朝方は売り買い交錯もプラス圏でのスタートとなり、その後は下げに転じる場面はあったものの、後場に入ると買いに厚みが加わり一時3万7600円台まで水準を切り上げた。トランプ米大統領の施政方針演説の内容が注目されたが、関税について日本が名指しされるようなことはなく、過度な不安心理の後退からリスクを取る動きを誘発した。
日本時間朝方には米政権がカナダとメキシコに対する関税について「軽減に向けた道筋を5日にも発表する可能性がある」とも米ブルームバーグ通信などが伝えていた。いったん警戒感が後退して株価指数先物に打診的な買いが入ったのにつれて、日経平均も強含んだ。外国為替市場でもリスク回避の動きが和らぎ、円相場が対ドルで前日の高値からは下落したことからトヨタやホンダなど輸出関連株が買われた。
一方、トランプ氏は貿易相手国と同水準まで税率を引き上げる「相互関税」を4月2日に発動する方針を改めて強調した。関税政策に対する懸念は拭えないなかで、短期筋主導の上昇という受け止めが市場では多かった。13時頃にトランプ氏の演説が終了し、先物買いが一巡した後の日経平均は小幅高での推移となった。
中国で5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では2025年の実質経済成長率の目標を「5%前後」とし、財政支出を拡大する方針が示された。ただ、トランプ米政権からの風当たりが強まるなか、5%の経済成長が実現するか慎重な声も市場では聞かれ、日本の中国関連銘柄を積極的に買う動きにはつながらなかった。
日本からの輸入品に対する関税政策への不安感は拭えていないほか、中国などへの関税発動による世界経済への悪影響が読み切れないだけに、腰の据わった買いが入らない状況に変わりはないだろう。再び、関税に関するネガティブな報道が出れば、相場は再び下げに転じる可能性もありそうだ。また、米景気の減速懸念も解消しておらず、目先はトランプ関税に関する報道や米景気動向を確認しながらの対応になりそうだ。