前日の米株式市場では、NYダウが続伸し最高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ期待が相場を押し上げた。ただ、米長期金利が低下するなか、為替市場では1ドル=141円台前半へドル安・円高が進行した。急激な円高を受けたこの日の東京市場では、半導体や自動車など輸出関連株を中心に売りが膨らみ日経平均は一時、200円を超す下落となった。ただ、売り一巡後は下げ渋り、日経平均は3万3500円前後での一進一退が続いた。きょうは12月末の配当権利落ち日で、QUICKの試算では配当落ちで日経平均が52円ほど押し下げられた。
米連邦準備理事会(FRB)が2024年の早期に利下げに転じるとの見方から、27日の米債券市場で長期金利が5カ月ぶりの低水準を付けた。外国為替市場では日米金利差の縮小を意識した円買い・ドル売りが出て、東京の取引時間帯に1ドル=141円台前半まで円高・ドル安が進んだ。円安による業績上振れ期待が後退したとの受け止めから、トヨタやSUBARUなど自動車株をはじめとする輸出関連株の一角が売られ、相場の重荷となった。
24年の日経平均も堅調に推移するとの予想が多く、下値では国内投資家を中心に押し目買いを入れる動きがみられた。
ただ、新規の手掛かり材料に乏しいなかでは、積極的に上値を買い上がる雰囲気にはつながらない状況でもある。また、日本国内の年末年始休暇中には、米国でISM製造業景況指数など注目される経済指標の発表が控えており、イベント待ちの状態と言えそうだ。