前日の欧州株市場が総じて軟調だったものの、米国株市場ではハイテク株に根強い買いが入り主要株価指数が揃って上昇、外国為替市場でも1ドル=138円台の推移と円安水準がキープされていることから、東京株式市場でもリスク選好の地合いが継続した。
日経平均は3月以来となる6連騰を記録した。
前場は利益確定売りに押され、前引け時点では小幅安だったが、前場取引終了後に日銀の金融政策決定会合で大規模緩和策の維持が発表され、これが市場に買い安心感を与え、後場はプラス圏に切り返した。アジア株市場は高安まちまちだったものの、米株価指数先物が底堅い値動きを維持したことも追い風となった。
また、欧州のエネルギー供給を巡る不安が和らいだことも投資家心理の支えとなって、高値で引けた。日銀が21日まで開いた金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和策を維持することを決めた。これまでの政策が続くことへの安心感から、日経平均先物に買いが入り、指数を押し上げた。
13時過ぎには、ロシアとドイツを結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム」が定期点検を終え、ガス供給を再開したとドイツメディアなどが伝えた。エネルギー供給を巡る不安が和らいだことも日本株の買いにつながり、日経平均は大引けにかけて上げ幅を広げた。
朝方は売りが先行した。前日までの5営業日で日経平均が1300円ほど上昇した後で、主力銘柄の一部には利益確定や戻り待ちの売りが出やすかった。下げ幅は100円を超える場面があったが、前日の米株式相場が上昇したことが支えとなって日本株の下値は限られた。
また、決算発表が本格化するなか、前日に決算を発表した日本電産に注目が集まったが、反落ながらも前日にマドを空けて上昇した部分の調整にとどまっていた。切り上がる5日線を支持線として陽線を形成しており、センチメントを悪化させることはなかった。また、マザーズ指数は上値抵抗線として意識されていた26週線を捉えてきた。シグナルが好転してくる可能性も意識されやすく、中小型株を見直す動きも持続しそうである。
東証株価指数(TOPIX)は3日続伸した。終値は前日比4.15ポイント(0.21%)高の1950.59だった。6月9日以来の高値。午前は安く推移していた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆5079億円。3兆円割れは8営業日連続。売買高は9億7053万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1312と、全体の約7割を占めた。値下がりは441、変わらずは85だった。