きょうはリスクを積極的に取る動きが強まった。前週末発表された5月の米雇用統計は市場コンセンサスを上回る内容で米長期金利の上昇が顕著となったが、米株市場は比較的底堅い動きだったことで投資家の過度な不安心理が緩和された。外国為替市場でドル買いを誘発し、足もと1ドル=157円前後まで円安が進んだこともトヨタやホンダなど輸出セクター中心に追い風となった。
日米の長期金利の上昇を受けて保険株や銀行株の上げも目立った。円安をきっかけに海外短期筋とみられる株価指数先物への買いが断続的に入り、上げ幅を400円近くまで拡大する場面があった。終値で3万9000円台を回復し、5月23日以来の高値をつけた。
今週はFOMCや日銀の金融政策決定会合が予定されるほか、週末にメジャーSQ算出を控え、先物を絡めた投機的な売り買いも観測されている。ただ、指数売買の影響を受けにくい中小型株物色も活発だった。
前週末発表の5月の米雇用統計は米労働市場の強さを意識させる内容となり、米長期金利が上昇。きょうの国内債券市場では長期金利が再び1%台まで上昇した。日銀が13〜14日に開く金融政策決定会合で国債買い入れの減額を検討するとの見方もあり、国内金利の上昇が業績の追い風になりやすい金融株の支えとなった。
日経平均は午後に一段高となった。今週は日米の中銀会合や株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)算出が予定されており、株価の大きな変動要因になる可能性がある。海外短期筋が思惑の先物買いを膨らませ、値がさのファストリやソフトバンクグループ(SBG)が上げ幅を広げた。一方、実需の売買意欲は乏しく、東証プライム市場の売買代金は今年最低を記録した。