前週末の米株高や円安・ドル高を背景に買いが優勢となった。上げ幅は一時600円を超えた。もっとも、買い一巡後は戻り待ちの売りなどが出て上値が重くなった。
7月の日経平均は月間で0.05%下落した。月間の下落は昨年12月以来。
リスク選好の地合いとなり、日経平均は大きく切り返す展開となった。一時600円を超える上昇をみせ、3万3400円台まで水準を切り上げる場面もあった。米国では前週末発表されたPCEコアデフレータの伸び率が市場予想を下回り、インフレ沈静化が改めて意識された。FRBによる利上げ打ち止めへの期待が高まり、投資家心理を強気に傾けた。これが東京市場に追い風となったほか、外国為替市場でドルが買い戻され急速に円安方向に押し戻されたことも、輸出セクター中心に買い人気を助長した。なお、TOPIXは今月3日の高値を上回り、1990年7月以来33年ぶりとなるバブル後高値を更新した。
日銀が前週末に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用を柔軟にすると決めた。一方、日銀の植田和男総裁は記者会見で「政策の正常化へ歩み出すという動きではない」と発言した。前週末の東京市場は円高が進み、株価が一時大幅安になるなど大きく揺れたが、週明けは再び円相場が下落基調に戻り、日本株の見直し買いを誘った。大幅な株価の反発を受け、売り方による損失覚悟の買い戻しも入りやすかった。
午後にかけて伸び悩んだ。日経平均が年初来高値に接近したことで、高値警戒感から戻り待ちの売りが出た。日銀の政策修正に伴う国内金利の先高観も重荷となった。決算発表を材料に個別銘柄も動きやすく、市場では「主要企業の利益成長を見極める上であすのトヨタの決算発表に注目したい」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反発し、31.95ポイント(1.39%)高の2322.56で終えた。1990年7月以来となるバブル後高値を更新した。JPXプライム150指数は12.40ポイント(1.20%)高の1046.63だった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆1035億円。売買高は19億9793万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1525。値下がりは279、横ばいは31銘柄だった。