先週末10日の米株式市場でNYダウは4日続落。金融システム不安から売りが先行する一方、2月雇用統計を受け連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げ観測が後退し、一時上昇する場面もあった。しかし、米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻が報じられると下げ幅を広げた。米株安を受けた今日の東京株式市場は売りが先行した。値がさ株や銀行株など幅広い銘柄が下落した。
相対的に安全とされる米国債が買われた(金利が低下した)流れで日米金利差の縮小を意識した円高・ドル安に傾いたことでトヨタをはじめ自動車株にも売りが広がり、日経平均の下げ幅は500円を超す場面もあった。米連邦準備理事会(FRB)の引き締めの余波がほかの銀行や、貸し出しを受ける企業側にも広がるという懸念も意識された。
午前の東証株価指数(TOPIX)の前週末比の下落率が2%を超え、午後は日銀による上場投資信託(ETF)買いへの思惑が相場の下値を支えた。商船三井など海運株は上昇し、日経平均は大引けにかけて下げ幅を縮小した。一連の米銀破綻を受けたFRBの金融政策への影響などを見極めたいと冷静な見方もあり、リスク回避一辺倒とはならなかった。ファストリは小幅高で終えた。
TOPIXは続落し、前週末比30.59ポイント(1.51%)安の2000.99で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆1285億円。売買高は14億7769万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1639と、全体の約9割を占めた。値上がりは171銘柄、変わらずは25銘柄だった。