朝方はリスク回避ムードの強い地合いだった。前日の欧州株市場が全面安商状だったほか、米国株市場でもNYダウが今年最大の下げ幅を記録するなど投資マインドが弱気に傾いた。米長期金利の上昇を背景にナスダック総合株価指数の下落率は2%あまりに達した。東京市場でもこの流れを引き継いで主力株を中心に売りが先行し、日経平均は一時360円超の下げ幅で3万8000円大台攻防の様相をみせる場面も。日本時間あす未明に発表されるFOMCの結果やパウエルFRB議長の記者会見の内容を見極めたいとの思惑も買いを手控えさせた。しかし、売り一巡後は先物主導で巻き戻しの動きが観測され、小幅ながら上昇に転じる局面もあった。一部の半導体主力株が大きく買われ全体相場を支える形になった。
インフレの高止まりが続くとの見方から米国の利下げ期待が後退して前日の米株式市場で主要指数が下げ、東京株式市場でも幅広い銘柄に売りが出た。前日までの上昇を受けて戻り待ちの売りが出たことも相場の重荷となった。ただ、売り一巡後は株価指数先物に買い戻しが入り、上昇に転じる場面もあった。
ナスダック総合株価指数や主要な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅に下落。1日の国内債券市場でも長期金利が上昇しており、値がさハイテク株の一角には相対的な割高感を意識した売りが出た。
午後に入ると日経平均は急速に下げ渋り、一時は上昇に転じた。外国為替市場での円安・ドル高進行に加え、現地時間1日に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に利益確定を目的とした買い戻しが株価指数先物に入り、日経平均の支えになった。
市場関係者は「1日はFOMCの結果公表以外に4月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数や4月のADP全米雇用リポートの発表もあり、一方向に持ち高を傾けたくないと考える投資家は多かった」と指摘した。