6月29日以来、約1週間ぶりに2万2000円台を回復した。
前週末発表の6月の米雇用統計では賃金が伸び悩み、米利上げが加速するとの観測が後退した。米株式相場の上昇を受けて日本株にも買い戻しが優勢になった。中国などアジアの株式相場も堅調に推移するなか、海外ヘッジファンドから株価指数先物に買いが入り、日経平均を押し上げた。
村田製や太陽誘電などの電子部品株が好業績を期待した買いを集めた。このところ下げが目立っていた東エレクなど電機株も上昇した。
「米中貿易摩擦への懸念がひとまず後退し、海外短期筋から現物株を買い戻す動きがあった」との声が聞かれた。「医薬品株や半導体関連株の一角には海外の長期投資家による打診買いがあった」との観測も出ていた。
ただ、市場関係者の間では「先行きは楽観できない」との声が根強い。米中貿易摩擦問題の行方など政治的な不透明要因は払拭されたわけではないため、投資家の多くは及び腰だ。
JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前週末比175.39ポイント高の1万5168.98だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆415億円。売買高は12億2088万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1649、値下がりは390、変わらずは60銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では、金属製品、その他金融業、医薬品の上昇が目立った。下落は繊維製品、水産・農林業、陸運業。
個別では、アルツハイマー型認知症治療薬の新薬候補が材料視されているエーザイが連日のストップ高となり、1銘柄で日経平均を55円押し上げた。ソフトバンクGやTDKとともに日経平均の値上がり寄与上位に顔を出した。エーザイは新薬候補の試験結果を受けたレーティング引き上げの動きが観測された。同じくレーティング引き上げ観測のスタートトゥは7%超高。値上げ観測が報じられた村田製は6%近く上昇し、太陽誘電も8%を超える上昇。その他では、任天堂、トヨタ自、三菱UFJ、ソフトバンクや住友鉱などが堅調だった。
一方、9日に「排ガス測定に関する行為」で記者会見を行うと伝わった日産自は4%超安。中国での建機販売への懸念で日立建機やコマツが大幅安。東海カーボ軟調で、ファーストリテは小幅にマイナスとなった。また、決算がネガティブ視されたオンワードHDや吉野家HD、業績下方修正の鳥貴族などが東証1部下落率上位に顔を出した。
東証2部指数は前週末比61.90ポイント高の7311.39ポイントと続伸した。出来高8499万株。値上がり銘柄数は346、値下がり銘柄数は119となった。
個別では、ビート・ホールディングス・リミテッドがストップ高。セイヒョー、サトウ食品工業、アイ・アールジャパンホールディングス、日本モーゲージサービスは年初来高値を更新。RVH、ネットマーケティング、ベリテ、アサヒ衛陶、森組が買われた。
一方、ブルボン、サイボー、新内外綿、オーベクス、本州化学工業など26銘柄が年初来安値を更新。マルマエ、平和紙業、ファステップス、東京ボード工業、リヒトラブが売られた。