きょうは、リスク選好の流れが続いたが日経平均の上値も重かった。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が朝高後に値を消し、小幅な上昇にとどまった。
外国為替市場で1ドル=133円近辺まで急速な円安が進んだことが自動車など輸出株に追い風材料となり、日経平均は朝方こそ軟調気味に推移したものの、その後は切り返して2万8000円大台を回復した。輸出採算の改善を通じて製造業の業績上振れ余地が拡大するとの見方が広がった。自動車株や機械株といった主力の輸出関連株を中心に買いが入った。
しかし、後場後半になると利益確定を急ぐ動きが表面化し、日経平均は再び値を消す展開に。それでもマイナス圏には沈むことなく、2万7900円台で引けている。今週予定されるECB理事会や5月の米CPI発表を控え、積極的に上値を買い進む動きはみられなかった。国内でも今週末にメジャーSQ算出を控えていることもあって、様子見ムードが拭えなかった。
海外では米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極的に進めるとみられるほか、7日はオーストラリア中央銀行が利上げを発表。一方で日銀の黒田東彦総裁は7日の参院財政金融委員会で金融緩和を粘り強く続ける方針を示し、日銀と海外主要中銀の金融政策の方向性の違いが改めて意識された。
2万8000円の節目を上回った水準では利益確定売りや戻り待ちの売りも出て、日経平均は下げる場面もあった。前日の米長期金利が3%台に乗せ、東エレクやアドテストなど値がさハイテク株の売りを促したほか、日本時間7日の米株価指数先物が軟調に推移したのも投資家心理の重荷になった。