前日のNYダウが一時600ドル近い下げをみせるなど波乱展開となり、これを受けてリスク回避の売りが集中する格好となった。発表された9月のADP全米雇用リポートで雇用の伸び悩みが明らかとなり、米景気減速に対する警戒感が強まった。
前日は欧州株市場も軒並み大きく値を下げており、WTOが米国によるEUへの報復関税を承認したこともあって、世界経済の減速が一段と進むとの警戒感から、運用リスクを回避する目的の売りが優勢だった。
業種では自動車など輸出関連株の下げが目立った。
外国為替市場で円相場が一時1ドル=106円台まで円高・ドル安が進行したことを受け、日経平均株価は朝方に下げ幅を500円超に広げた。
ただ、その後は円高進行が一服したほか、日本時間夜に米サプライマネジメント協会(ISM)の9月の非製造業景況感指数発表があるため、結果を見極めたいとの思惑から安値圏での小動きが続いた。
日経平均株価を対象としたオプションの価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時19.31と、取引時間中としては8月29日以来、約1カ月ぶりの水準まで上昇した。市場からは「変動率を参照して自動的に資産配分を決めるリスク・パリティ戦略を取るファンドの売りが出たことも下落の一因となったとの声があった。
市場では、今回の急落により「短期的な調整局面に入る」との指摘が出ていた。一方、「米株安と歩調を合わせ、先物主導で下落したに過ぎない。日本企業の業績を不安視した売りではない」との見方もあり、相場の先行きについては強弱感が対立していた。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比235.31ポイント安の1万4027.62だった。東証株価指数(TOPIX)も続落し、27.42ポイント安の1568.87で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆704億円。売買高は12億2381万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1963と、全体の約9割を占めた。値上がりは159、変わらずは29だった。