朝方はリスク選好の地合いだったが、その後は一貫して軟化傾向をたどった。前日の欧米株市場が総じて高く、特に米国株市場では半導体関連株の上げが顕著だったことから、東京市場でもこれを拠りどころに同関連株への押し目買いや買い戻しが活発化した。しかし、外国為替市場でドル安・円高に振れたことなどが嫌気され、ハイテク株など輸出セクター中心に値を消す銘柄が相次いだ。政府要人の発言で日銀に利上げ圧力がかかっているとの見方もあり、買い手控えムードを助長した。
22日の米株式相場の反発を手がかりに、日経平均の上げ幅は朝方に300円を超える場面があったが、その後は利益確定や戻り待ちの売りに押された。日銀による追加利上げの思惑も重荷となった。企業の決算発表などを前に持ち高を一方向に傾けにくく、後場は一進一退の展開となった。
前日の米株式市場ではダウ工業株30種平均など主要指数が反発した。米民主党の大統領選候補としてハリス副大統領が指名される見通しとなり、共和党候補のトランプ前大統領の優勢に変化が起きる可能性が意識された。米半導体株が大幅に上昇したことから、足元で下げが目立っていた東京市場の東京エレクトロンやアドテストなど半導体関連株の一角が買われた。日経平均は前日に約1カ月ぶりの安値を付けており、自律反発を狙った買いも入りやすかった。
日経平均は上値が重くなり、午後に下げに転じた。自民党幹部などから日銀の政策正常化に前向きな発言が出ており、金融政策決定会合を来週に控え、日銀による追加利上げの思惑が株価の上値を重くした。きょう大引け後のニデックを皮切りに、目先は国内主要企業の決算発表が本格化するとあって、投資家の様子見ムードも強まった。
ただ、東証プライムの値上がり銘柄数は1127と全体の7割近くを占めた。値下がりは472、横ばいは47だった。銀行や海運などバリュー(割安)株が買われ、全体の地合いは堅調との見方が多かった。