前日の米国市場では、NYダウが上昇する一方、ナスダック指数が下落した。米大手ハイテク株が下落した流れが、東京株式市場にも波及し日経平均株価は値を下げた。
寄り付きは前日比200円を超す下落でスタートし、その後、一時下げ幅は300円を超えた。ただ、2万7000円ラインを割り込んだ場面では値頃感からの買いが流入。前場は97円安で取引を終え下げ渋った。好業績銘柄などが堅調に推移した。しかし、全体相場は後場に入り再び売り直された。香港株式市場でハンセン指数が下落していることも警戒された。結局、日経平均株価は240円安で取引を終えた。
27日夕に決算発表したアマゾン・ドット・コムの業績不安も重なって、東京市場では朝方からハイテク株などに売りが出た。28日の香港株が急落するなど、アジア株の下落も重荷となった。
下値では買いも入った。国内企業の決算については総じてみると堅調との見方が多い。上方修正した企業には見直し買いが入り、相場を下支えした。
国内企業では27日に今期業績見通しを引き下げたファナックが大幅安となった。中国経済の減速懸念が一因で、「中国関連の銘柄は今後も先行き業績に警戒感が広がりやすい」との声が聞かれた。
日銀は28日まで開いた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和の維持を決めた。市場の想定に沿った結果で、相場への影響は限定的だった。
市場からは「香港株が大きく値を下げ、後場の相場に影響している。中国新指導部への警戒感は根強いようだ。日経平均は2万7000円中心のもみ合いが続くとみるが、決算ラッシュを迎え、個別株物色の色彩が強くなってくる」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続落し、終値は前日比6.51ポイント(0.34%)安の1899.05で終えた。