
前日25日の米国株式市場は続伸。雇用関連指標や小売売上高が予想を下回り年内の利下げ期待が高まったが、一部ハイテクが重しとなった。その後、消費者信頼感指数の低下や、次期FRB議長候補として国家経済会議のハセット委員長が「最有力候補」と伝えられると12月の利下げ確率がさらに上昇し金利安が好感された。
米株市場を横目に本日の日経平均は続伸して取引を開始、寄付き直後から大きく上げ幅を広げた。その後は高値圏でもみ合う展開となり、大幅高で取引を終了した。昨日の米株式市場で主要指数が上昇したことが東京市場の株価の支えとなったほか、日経平均は4万8000円台半ばが下値支持帯として意識されており、ここからの短期的な下値余地は大きくないとの見方もあった。投資家心理が改善する中、東証プライム市場の幅広い銘柄がプラス圏で推移しており、終日買い手優位の状況が続いた。
日経平均への寄与度が大きいソフトバンクグループ(SBG)を中心に幅広い銘柄が買われ、上げ幅は一時1000円を超えた。もっとも、節目の5万円に接近すると主力株に戻り待ちの売りが出て、日経平均は上げ幅を縮小した。
前日の米市場では9月の米小売売上高など経済指標が市場予想を下回り、FRBが12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに動くとの観測が広がった。ダウ工業株30種平均が大幅に上昇したほかハイテク株も一部の半導体株を除いて堅調で、東京株式市場でもこの流れを引き継いだ。人工知能(AI)関連株が強含み、SBGが大幅高で終えたほかアドテストやソシオネクスも買われた。
市場では「一時は期待が薄れていたFRBの12月利下げが再び意識されるようになり、幅広い銘柄に買いを入れやすい地合いになった」との声が聞かれた。東証プライム銘柄の9割近くが上昇する展開で、商社や建設株への買いが目立った。日銀の利上げを意識して銀行株が買われたほか、原発再稼働への期待から電力株も強含んだ。
日経平均は午後にきょうの高値(4万9749円)を付けたあとは伸び悩んだ。節目の5万円や25日移動平均(25日時点で5万0141円)に接近し、主力株には戻り待ちの売りが出やすかった。日経平均は10月に歴史的な上昇となり、過熱感がいまだに解消されていないとの指摘があった。