朝方の取引が一段落した後、株価指数先物に大量の買いが入り、日経平均株価は取引時間中としては6月18日以来約1カ月ぶりに2万2800円台を付けた。
外国為替市場では1ドル=112円台半ばの推移と円安傾向が継続していることも輸出株中心にポジティブに作用した。
金融株や自動車株といった出遅れ感の強い銘柄が買われ、内需・ディフェンシブセクターの一角にも資金が向かった。
ただ、株価が上昇すると当面の利益を確保する売りが急速に増え、後場終盤にかけて上げ幅を縮小する銘柄が相次いだ。
先物には売り注文の少ないタイミングを見計らったように買いが入り、市場では「日経平均の短期的な押し上げを狙った投機的な買いで、長続きしそうにない」との見方が広がった。
米国発の貿易問題への懸念が残っていることもあり、上値追いには慎重な雰囲気が強い。
「そのまま上昇するか、あるいは調整してから再度上を狙うかは分からないが、とりあえず日経平均2万3000円奪回の線が色濃くなってきた。決算発表を控えるなか、1ドル=112円台の円安・ドル高水準が輸出企業の業績期待につながっている」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は3日続伸。終値は前週末比117.59ポイント高の1万5460.01だった。
東証1部の出来高は14億373万株、売買代金は2兆5651億円。騰落銘柄数は値上がり1566銘柄、値下がり464銘柄、変わらず70銘柄。
業種別株価指数(全33業種)はその他製品、銀行業、輸送用機器などが上昇し、電気機器、石油・石炭製品、鉱業が下落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆5651億円。売買高は14億373万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1566、値下がりは464、変わらずは70だった。
個別では、トヨタ自動車が堅調、一部証券会社のレーティング引き上げが観測された任天堂も上昇した。米金融大手の好決算を受けて三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが買われた。ブリヂストンも上値を追った。ネオスがストップ高で買い物を残したほか、中期経営計画が評価されたタマホーム、好決算のパソナグループなども値を飛ばした。オルトプラス、Gunosyなども物色人気となった。石原産業も高い。
半面、安川電機は7%超安と大幅続落し、ファナックなどが軟調、SMCなどFA関連株に下げが目立つ。売買代金トップのソフトバンクグループは朝高後に失速して12日ぶりに反落。ユニー・ファミリーマートホールディングスも値を下げた。決算を受けた売りが続いたIDOM、インターアクションが急落したほか、スカラも大幅安。イー・ガーディアン、北の達人コーポレーションも安い。
東証2部株価指数は前週末比12.48ポイント高の7363.91ポイントと続伸した。
出来高6200万株。値上がり銘柄数は214、値下がり銘柄数は231となった。
個別では、JMACSがストップ高。アイケイ、セイヒョー、あじかん、日本ギア工業、Casaなど6銘柄は年初来高値を更新。鉄人化計画、技研ホールディングス、東邦化学工業、イトーヨーギョー、NCS&Aが買われた。
一方、日本食品化工、旭松食品、バナーズ、関門海、自重堂など24銘柄が年初来安値を更新。JESCOホールディングス、アサヒ衛陶、アドテック プラズマ テクノロジー、ビート・ホールディングス・リミテッド、パシフィックネットが売られた。