
前日の米株式市場は、NYダウが109ドル安と軟調だったが、取引終了後に発表されたアップルやアマゾンの決算内容は良好だった。これを受け、米ナスダック100指数の先物が上昇したほか、為替の円安が進行したことも好感され、日経平均株価は値を上げてスタート。AI・半導体関連などハイテク株を中心に買いが集まり、上昇幅は1000円を超え5万2000円を突破した。
週末・月末に加え3連休を控え、上値では利益確定や持ち高調整の売りも出やすく、日経平均株価は前引けにかけ一時、伸び悩んだ。しかし、後場に入ってから再び買い人気が強まった。結局、日経平均株価は5万2400円台まで値を上げ、3日連続で最高値を更新した。
日銀は30日まで開いた金融政策決定会合で利上げを見送った。日銀の植田和男総裁は会合後の記者会見で、利上げ判断にあたり「来年の春季労使交渉(春闘)の初動のモメンタム(勢い)について情報を集めたい」と述べた。エコノミストの間では「日銀は追加利上げに慎重で、12月の利上げの可能性は後退した」との声があがり、株買いにつながった。
前日の取引時間中は先物主導で日経平均は不安定な動きだったが、きょうは当面は株式市場にとって良好な環境が続くとの思惑が広がるなかで朝方から買いが強まった。持ち高整理や利益確定売りで上げ幅を縮小する場面はあったものの、足元で目立った売り材料は指摘されておらず、きょうは買いが途切れなかった。
国内も決算発表が本格化するなか、日立やJTなど好決算銘柄が大幅高となった。取引時間中に決算を発表した村田製は今期予想の上方修正が好感されて急伸した。一方、第一三共やデンソー、OLCなど決算がさえなかった銘柄には売りが膨らんだ。
ハイテク株中心に買われる一方、割安株には売りが相対的に出やすく、自動車や鉄鋼が下げた。トヨタは外国為替市場での円安を好感した買いが続かず、後場に下げ幅を拡大した。