日経平均の下げ幅は昨年8月2日(453円安)以来、およそ5カ月ぶりの大きさとなった。
米軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害をめぐり、両国の対立が激化するとの懸念から運用リスクを回避する目的の売りが膨らんだ。トランプ米大統領の発言を受けて米朝関係が悪化するとの警戒感も強まり、米国発の政治リスクが投資家心理を一段と冷やしかねないとの見方が広がった。円相場が1ドル=107円台後半まで上昇する場面があり、日経平均の下げ幅は一時500円を超えた。
米国とイランの威嚇の応酬が激化するなか、朝方からリスク回避の売りが先行した。共同通信などは6日午前、トランプ大統領が5日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長に関し、「私との約束を破るとは思わないが、破るかもしれない」と述べたと伝えた。米朝間の非核化合意の白紙化などに懸念を示したとの受け止めが広がり、世界的な地政学リスクへの警戒感が強まった。
情報通信や電子部品など主力銘柄に海外の短期投資家による注文とみられるまとまった売りが出た。
一方後場は下げ渋った。一部の投資家が押し目買いを入れる動きも見られた。
市場からは「米イラン問題がどう転ぶか読めず、外部環境不透明だ。中・長期の上昇トレンドは維持しているが、短期トレンドは崩れており、調整が尾を引く可能性がある」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は3日続落。終値は前営業日比205.85ポイント安の1万5170.53だった。東証株価指数(TOPIX)は続落し、23.87ポイント安の1697.49で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆2246億円。売買高は12億1971万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1835と全体の約85%を占め、ほぼ全面安の展開が続いた。値上がりは277、変わらずは49銘柄だった。