
きょうの東京株式市場は寄り付きこそ売り買い交錯でスタートしたが、その後は下げ幅を広げる展開となった。
前場後半はいったん下げ渋ったものの、後場に入り再び軟化。引け際に一段安となり、この日の安値で取引を終えた。
中東情勢が緊迫化の度合いを強めるなか、これまで相場を牽引していた半導体関連の主力株に売りがかさみ、日経平均を押し下げる格好となっている。外国為替市場ではドル高・円安方向に振れたが、これをポジティブ視する動きはみられなかった。ただ、日経平均は安値引けとはなったが、中小型株は相対的に強く、値下がり銘柄数は全体の55%を占めるにとどまった。日本時間今晩の米国株市場が奴隷解放記念日で休場ということもあって海外投資家の買いが膨らまず、売買代金も3兆6000億円台と低調だった。
日経平均は前日まで3日続伸して1000円程度上昇していたとあって、足元で戻り歩調にあった値がさの半導体関連株を中心に、利益確定目的の売りや戻り待ちの売りが出た。市場関係者は「19日は米国が休場ということもあり、中東情勢が緊迫化しているなかで手じまい売りも出ているようだ」との見方を示した。
中東情勢を巡るヘッドライン(ニュースの見出し)に振らされる場面も多かった。寄り付き前には、米紙ニューヨーク・タイムズが「イランが米国との会談を受け入れる意向がある」と報じたことで、日経平均先物は下げ幅を縮小した。その後、前場中ごろに米ブルームバーグ通信が複数の関係者の話として「米当局者らは、数日以内にイランに攻撃する可能性に備えている」と報じると、改めて警戒が強まり日経平均は一段安となった。
さて、東京株式市場は米株安と小幅な円高で本日は買い材料不在の1日に。日経平均は2月以来の高値圏まで回復していたため利食い売りで押される展開となった。日米ともに金融政策に目立った変更もなく長期金利も落ち着いた状態。テクニカル的な売りをこなしたら3万9000円を目指す動きに回帰してこよう。日米貿易協議に関しては手詰まり状態で7月まで待たねばならない状況のようだ。