
きょうは主力株をはじめ広範囲に売りが広がった。前日の米国株市場で半導体セクターが大きく売り込まれたこともあって、半導体製造装置の主力銘柄などに大きく値を下げる銘柄が多かった。トランプ米政権による関税発動の動きや、米国によるウクライナへの支援停止などが取り沙汰され、リスクオフの流れが強まった。外国為替市場で円高が進んだこともネガティブ視された。一方、前日に続き防衛関連株の一角が買われ、全体相場を支える側に回った。日経平均は先物主導の売りが活発となり、一時900円超の下落で3万7000円台を下回って推移する場面もあった。後場取引後半は下げ幅を縮小したものの、日経平均は大引けで3万7300円台まで水準を切り下げて取引を終えている。
トランプ米政権は4日、カナダとメキシコからの輸入品に対する25%の追加関税を発動した。2月に発動済みの中国製品への10%の追加関税は税率を20%に引き上げた。中国政府は対抗措置として、米国から輸入する小麦やトウモロコシなどに最大15%の追加関税を課すと発表するなど、貿易戦争の激化が世界的な景気悪化につながるとの見方から幅広い銘柄に売りが膨らんだ。
非鉄金属や石油関連、鉱業など海外景気に業績が左右されやすい銘柄群が売られた。市場関係者は「米国で景気減速と物価高が同時に進むスタグフレーションに陥る可能性を日米株とも織り込み始めた」との見方を示した。
トランプ米大統領は3日にロシアの侵略を受けるウクライナへの武器供与の一時停止を指示。米国によるウクライナへの軍事的な関与が低下し、地政学リスクが高まるとの警戒が高まった。トランプ氏は中国とともに日本が通貨安を誘導してきたと問題視する発言をした。円安是正に向け、日銀は早期の追加利上げを求められるとの思惑が広がり、4日の東京外国為替市場で円相場は一時1ドル=148円台へと上昇。輸出採算が悪化するとの警戒から、トヨタやマツダ、ホンダなどの自動車関連が軒並み下落した。
日経平均株価を対象としたオプション価格から算出する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は午前に一時、前日比6.32ポイント(0.25%)高い31.60まで上昇し、昨年11月以来の高水準を付けた。相場変動率の高まりを受け、変動率に着目して資産配分を決める機関投資家からの機械的な売りも出た。このところの日本株急落を受けて含み損を抱えた個人投資家から、戻り待ちの売りも出やすかった。
イオンやZOZOなど小売株、大塚HDや塩野義など薬品株にはリスク回避の逃避先として資金が流入した。世界的な地政学リスクの高まりで防衛関連需要が増えるとの見方から三菱重や川重が買われた。IHIは一時10%強の上昇となり、35年ぶり高値を付けた。
さて、東京株式市場は円高、米株安という外部環境にさらされ早くも反落する1日に。トランプ外圧で輸出企業には試練が続きそうだが、利上げなどで国内金融株には買いが入り、指数で見るとトピックスはかなり安定した動きを維持している。こちらはザラバベースでまだ今年の安値を切っていない。ただ、上場企業全体としては来季収益が少し不透明となっており、強い上昇基調を描きにくくはなりそうだ。