
朝方から先物主導でリスク回避の相場展開を強いられた。前日の米国株市場ではハイテク株中心に買いが入りナスダック総合株価指数は6日続伸と気を吐いたものの、NYダウは続落するなど上昇一服感が出てきた。
東京株式市場でも日経平均が4月下旬以降に急ピッチの戻りをみせていただけに、目先はスピード警戒感から利食い急ぎの動きが顕在化した。下げ幅は一時500円に迫ったが、根強い先高観を背景とした押し目買いや売り方の買い戻しも目立ち、やや下げ渋って終えた。
外国為替市場でドル安・円高に振れたことも市場センチメントを冷やした。前日に買われた半導体関連が利食われたほか、自動車株への売りが止まず全体指数を押し下げた。
個別には企業決算発表がピークを迎えるなか、好決算銘柄と決算内容が芳しくない銘柄とで明暗を分ける形となっている。値下がり銘柄は全体の約3分の2を占めた。なお、売買代金は減少傾向で5兆円を下回った。
一部の通信社が14日に「米国と韓国の会談で韓国ウォン相場について協議した」と報じた。米国が日本にもドル高是正を求めるとの思惑が浮上し、外国為替市場では円買い・ドル売りが優勢となっている。輸出採算悪化への警戒から、トヨタやホンダなどの自動車株が売られた。
加藤勝信財務相が来週、カナダでベッセント米財務長官との会談を検討していることが明らかになっている。市場では「『為替の動向は市場が決める』という認識の再確認にとどまりそうだが、日本株にとっては足元で過熱感が高まっていただけに、利益確定売りの口実になりやすかった」との声が聞かれた。