きょうは朝方からリスク回避目的の売りが優勢となった。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに安くなった。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)ではFRBが政策金利の0.5%利上げを決定し、今後も金融引き締めに積極的なタカ派姿勢を示したことが嫌気され、NYダウは一時約400ドルの下げをみせた。しかし、その後は下げ渋る展開となったこともあり、東京株式市場でも過度な不安心理が後退した。
個別株の物色意欲は旺盛で、特に中小型株の一角に派手に値を飛ばす銘柄も散見された。
足元では米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化しており、FRBの引き締め姿勢が軟化するとの期待も一部で浮上していた。前日までに日米の株式相場は上昇していたため、きょうは売りが優勢となった面もある。キーエンスやZHD、エムスリーなどのグロース(成長)株の下げが相対的に大きかった。
最大の注目イベントだったFOMCは政策金利の見通しなども含め市場で大きなサプライズなく通過し、「欧米のクリスマスシーズンの到来を控え、持ち高を傾けづらい」との声も聞かれた。
相場全体が方向感を欠くなか、防衛費の増額方針を手掛かりに重工株に買いが集まった。三菱重や川重は年初来高値を更新した。経済再開への期待は根強く三越伊勢丹などの百貨店株やJR西日本などの鉄道株が上昇したほか、中国の景気が上向くとの期待からINPEXや総合商社などの資源関連株も買われた。
市場では「現地14日の米国株の下落を受けた取引としては、下げ渋る動きをみせるなど底堅く推移し、地合いの良さが感じられる」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反落し、前日比3.52ポイント(0.18%)安の1973.90で終えた。東証プライムの売買代金は概算で2兆2437億円。売買高は9億1376万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は825銘柄だった。値上がりは908、変わらずは105銘柄だった。