前日の米株安を受け終始リスクオフの地合いとなった。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が総じて軟調だった。また、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング(ASML)の決算発表を受け同社株が急落、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が5%を超える急落をみせたこともあって、東京株式市場でも半導体関連株を中心に売りがかさむ展開となった。
米政府が中東の国ごとにAI用半導体の輸出規制を検討しているとの報道も同セクターに逆風材料となった。日経平均寄与度の高い半導体製造装置関連に値を崩す銘柄が相次ぎ、日経平均は一時850円近い下げで3万9000円大台攻防の様相をみせる場面もあったが、結局最後まで割り込まなかった。
値がさ半導体関連の下げが相場を押し下げた。生成AI(人工知能)向けの半導体需要に期待が高まっていたが、ASMLの決算ではEUV(極端紫外線)露光装置の需要回復が鈍く、半導体市場に対する楽観的な見方が後退した。17日には台湾積体電路製造(TSMC)やディスコの決算発表を控えて手じまい売りも出やすく、半導体関連の下げにつれて日経平均も下げ足を速めた。
日経平均は10月に入って海外勢の買いが主導してほぼ一本調子で上昇し、前日には4万円台に一時乗せていた。ASMLの決算を受けた半導体関連の急落が、海外勢による日本株の利益確定や戻り待ちの売りの口実になった面もあった。一方、保険や建設、不動産など割安株とも位置づけられる内需株の一角には買いが向かった。
さて、東京株式市場は突然の米半導体株安に見舞われ反落する展開に。昨日は日経平均が一時4万円台に乗せていただけに急な変わりようともいえる。内容的には国内でも半導体関連や先物売りに絡む銘柄の下げは目立ったものの、それ以外では大きく売られる様子もなくトピックスなどは限定的な下落率に収まっている。今晩の米国株が持ち直せば明日はそれなりの反発に転じるだろう。