前日の米株式相場の上昇や外国為替市場で円相場が1ドル=106円台まで下落したことも投資家心理を支えた。
中国商務省の報道官が米中の閣僚級貿易協議開催に向けて調整していると表明したことが好感され、世界的にリスクのある資産に投資する動きが出た。
米中貿易摩擦が激化するとの警戒感がいったん和らぎ、東京株式市場は幅広い業種が値を上げた。
日経平均は一時280円超まで上げ幅を拡大した。売り込まれていた電子部品や機械株といった景気敏感株を中心に買い戻しが入った。米株価指数先物の上昇などを背景に相場の戻り基調が続くとみた売り方が持ち高の解消を進めたことも指数を押し上げた。
ただ、東証1部銘柄の9割が上昇する全面高となった割に売買代金は少なかった。31日に中国で景況感を示す統計の発表が予定されている上、「米中の閣僚級協議が実際に再開するか、まだ分からない」など米中関係についても不透明さは消えず、投資家の動きはやや鈍かったようだ。
週末発表の8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の結果を見極めたいとの様子見気分も広がった。
JPX日経インデックス400は反発した。終値は前日比178.78ポイント高の1万3493.48だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆215億円と13営業日ぶりに2兆円を上回った。売買高は12億762万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は全体の9割超となる1970、値下がりは144、変わらずは35だった。