米国で新型肺炎の感染拡大が避けられないとの見方が強まり、前日のNYダウ工業株30種平均は大幅安。投資家心理が悪化し、日本株も下げ圧力が強まった。取引開始から幅広い銘柄に売りが出て、午前の取引時間中には一時、東証1部銘柄の9割超が値下がりする全面安の状態となった。
ただ、午前の終盤からは、値頃感が強まった銘柄を買い戻す動きも増えた。日経平均株価の下げ幅は縮小し、午後は2万2400円付近で推移した。
安倍晋三首相は26日、今後2週間は全国的なスポーツや文化イベントの中止や延期、規模縮小を要請した。人やモノの動きが鈍るとの見方から空運やサービス、陸運などの下げが目立った。鉱業や海運など世界景気に敏感なセクターも下落した。
上海株式相場の持ち直しを好感して押し目買いが入り、日経平均は下げ幅を縮小する場面もあった。直近の大幅下落の反動で自律反発を見込んだ個人投資家などが買いに動いた。
市場からは「新型肺炎の感染が世界的に広がり、仕掛け売りや、リスクパリティー戦略ファンドの調整売りなど機械的な売りが下げを増幅させた。まだ乱高下は続くと思うが、感染者数はいずれピークアウトし、相場が落ち着くのは時間の問題だ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は3日続落した。終値は前日比112.90ポイント安の1万4423.15だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、12.09ポイント安の1606.17で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆96億円。売買高は16億7717万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1464と、全体の約68%を占めた。値上がりは620、変わらずは76銘柄だった。