前日の米株式市場では、原油価格の上昇を受けNYダウが前日比469ドル高と急伸した。これを受けた、東京株式市場も朝方は買い優勢の展開となり、上昇幅は200円を超し、1万8000円を回復する場面があった。買い一巡後は後場に入り売りに押される展開となった。
ロシアとサウジアラビアが減産で合意する見込みとのトランプ大統領の発言を受け、原油先物相場が急伸したことが好感された。
トランプ米大統領は2日、ツイッター上で「彼らは約1000万バレルの減産をするだろう」と投稿した。原油の需給が改善するとの期待から原油先物相場が急伸。3月にかけての原油安が世界的な株安の一因となっていたこともあり、投資家心理が改善した。日経平均の上げ幅は240円程度まで拡大した。
ただ新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、週末に向け新たな材料を警戒した売りが出て下げる場面も目立った。同日夜発表の3月の米雇用統計を巡る思惑も交錯した。投資家の様子見姿勢は強く、商いは比較的低調だった。
国内株式相場が前場に上昇して終えたことで、「日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れに動かない」との見方が広がり、相場の重荷となった。トランプ氏の投稿を巡って実現性を疑問視する向きもあり時間外取引で原油先物相場が軟調に推移すると、海外投資家を中心に先物主導で売りが出て、下げ幅は170円程度まで拡大した。
値下がりが目立ったのが、直営店などの長期臨時休業を発表した串カツ田中、鳥貴族やラウンドワン。新型コロナ感染拡大阻止に向けた適切な判断だが、大幅な収益悪化につながることで、株式市場では売り要因となった。
日経平均の日中値幅は412円65銭と、3月5日以来およそ1カ月ぶりの狭さだった。また週間で日経平均は1569円24銭下落した。
JPX日経インデックス400は5日続落。終値は前日比20.99ポイント安の1万1909.84だった。東証株価指数(TOPIX)も5日続落し、4.74ポイント安の1325.13で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3669億円。売買高は14億9911万株だった。売買代金は2月21日以来の低水準だった。東証1部の値上がり銘柄数は467と、全体の21.5%を占めた。値下がりは1653銘柄、変わらずは48銘柄だった。