前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合指数いずれも5日ぶりに反落に転じており、東京株式市場でも朝方は持ち高を減らす動きが先行した。米大統領選の行方や日米の企業決算を見極めたいとの思惑が根強い。米国株の下落や、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬で開発中断が相次いで伝わったことでリスク許容度が低下。景気敏感株を中心に売りが広がり、日経平均も下落して始まった。
しかし、後場に入ると流れが変わり日経平均はプラス圏に切り返す展開に。政府による第3次補正予算案編成の動きが伝わり、小売セクターなど中心に買い戻す動きを誘発した。もっとも上値も重く、2万3600円台前後でもみ合う動きに終始した。
市場からは「過熱感のある米国に比べて日本株は割高感が乏しく、日本株買いに意欲を示していた海外投資家も多かった。下落した局面で買いに入った投資家もいたのではないか」との声もあった。
米国の追加経済対策を巡る協議の停滞や欧米での新型コロナの感染動向、米大統領選など不透明感も強く、上値を追う動きは限定的だった。2020年4〜9月期の決算発表が本格化するのを前に様子見姿勢も強く、結局は前日終値を挟んだ動きにとどまった。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比39.37ポイント安の1万4796.59だった。東証株価指数(TOPIX)は反落し、5.20ポイント安の1643.90で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆9458億円。売買高は9億6737万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は735と、全体の3割強にとどまった。値下がりは1355銘柄、変わらずは86銘柄だった。