米雇用情勢の悪化懸念を背景に投資家のマインドが低下。膠着が続く米経済政策の与野党協議の動向も嫌気され、一時200円安となった。
株価指数先物・オプション12月物の特別清算指数(SQ)算出日とあって、取引開始直後は神経質な値動きになった。
欧州中央銀行(ECB)が10日の政策理事会で追加金融緩和を決めたことや、米ファイザーが開発する新型コロナウイルスのワクチンについて米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が支持したと伝わったことを手掛かりに買いが入り、日経平均は前日比でプラスに振れる場面もあった。
ただ、11月に始まった大幅上昇が一服してからというもの、利益確定売りの圧力が強い状態が続いている。米国の進まない経済政策論議などを売り材料に持ち高整理が出やすく、一時は前日比200円超下げた。
翌週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて取引を一方向に傾けづらく、売りが一巡すると下げ幅は縮小した。
市場からは「出来高も減り、上にも下にも行きづらく、もみ合い相場入りの感じだ。景気回復をにらんだ期待買いはほぼ終了し、ここからは実際に景気が良くなるかを確認する段階になる」との声が聞かれた。
東証1部の売買代金は概算で2兆8820億円だったが、SBGは3682億円と1割強を占めた。1銘柄で日経平均を84円押し下げた。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比38.29ポイント(0.24%)高の1万6129.69だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、5.80ポイント(0.33%)高の1782.01で終えた。
東証1部の売買高は12億8218万株。東証1部の値下がり銘柄数は696と、全体の約3割。一方の値上がりは1396と6割強を占めた、変わらずは88銘柄だった。