きょうの東京株式市場は主力株への売りがかさむ展開となり、日経平均は波乱含みの下げに見舞われ、フシ目の3万9000円台を大きく下回った。短期筋による株価指数先物への売りが膨らみ、日経平均の下げ幅は一時700円を超えた。
前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて下落し、米国株市場でも米長期金利の上昇が嫌気され、NYダウが3日ぶりに反落。これを受けて東京株式市場でもリスク回避目的の売りが噴出した。外国為替市場ではドル高・円安が一段と進んだが、これをポジティブ視する動きはみられなかった。先物主導の下げで日経平均は大陰線を形成し、25日移動平均線も一気に下抜ける形に。もっとも時価総額の大きい売買代金上位の銘柄に売りが目立った一方、中小型株の中にはプラス圏で引けた銘柄も少なくなく、値下がり銘柄数は全体の6割強にとどまっている。
12日の米株式市場では前の日まで連日で最高値を更新していたダウ工業株30種平均が3営業日ぶりに反落。欧州株式市場でもドイツやロンドンの株価指数が大幅安となり、短期的な過熱感を警戒した売りが出やすかった。13日にトランプ・トレードの象徴として急騰していたビットコインが下落したことも投資家心理の重荷となり、株式を含むリスク資産全体に手じまい売りを出すきっかけになったとの声が聞かれた。
日経平均は午後に下げ幅を広げた。このところのトランプ・トレードは海外ヘッジファンドなど短期筋による先物買いが主体だったとの見方は多く、いったん株売りに傾くと、株安に拍車がかかりやすいようだ。日本時間13日午後の取引で米長期金利が高止まりするなど、米金利の先高観が強まっており、株式には相対的な割高感を意識した売りも出やすかった。
一方、東京外国為替市場で円相場は1ドル=155円台と前日夕時点に比べて円安・ドル高方向に振れている。輸出関連の一角には買いが入り、日経平均は小幅ながら上昇に転じる場面もあった。
市場の一部からは、相場反転のきっかけとして注目されるのが、米国で13日発表される10月の消費者物価指数(CPI)だろう。トランプ次期大統領の政策がインフレ再加速に繋がるとの懸念が強まるなかで、12月の追加利下げを改めて織り込みにいくのかどうかを見極めたいところ。