3日の東京株式市場は新型コロナウイルスによる景気悪化を受けて主要各国・地域の中央銀行が一斉に金融緩和に動くとの期待感から全面高となった。
日銀が2日に株価指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ額を大幅に増やしたことを好感した買いが入った。
しかし、後場入り後は再度軟化した。新型コロナウイルスの感染拡大による世界景気や企業業績への影響も引き続き見通しづらく、目先は上値の重い状況が続くとの警戒感も根強かった。円高歩調とともに時間外の米株価指数先物安が重しとなり、大引けにかけて次第安となった。日中の値幅(高値と安値の差)は637円と3営業日連続して600円を超えた。
3日予定のG7財務相・中央銀行総裁の電話会議について、会議後の声明で協調利下げや財政出動といった具体的な政策対応は盛り込まれない見通しと報じられ、売りを促した面もあった。
市場からは「円高が進むとともに、時間外取引の米株価指数が値を下げ、売りを呼んだ。ショック安の場合、一度戻した後に2番底を付け、そこからリバウンドに入るケースがあり、さほど驚きはない」との声が聞かれた。
また、ウイルス感染拡大を受けた政府による小中学校の臨時休校要請などをめぐる混乱が「投資家の不安心理を増幅している」との指摘があった。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比175.77ポイント安の1万3515.86と安値引けした。東証株価指数(TOPIX)も反落し、20.75ポイント安の1505.12と、こちらも安値引けした。業種別TOPIXは33業種全てが下落し、とりわけ証券株や機械株などの下げが顕著だった。
東証1部の売買代金は概算で3兆719億円、売買高は17億6490万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は全体の9割近い水準となる1938、値上がりは189、変わらずは35銘柄だった。