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【大引け概況】
10日の日経平均株価は反発し、前日比88円30銭高の2万2497円18銭で終えた。
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前日の欧米株高や為替の円安基調を背景に買いが先行、日経平均は上げ幅を100円超に広げる場面もあった。
外国為替市場で円相場が1ドル=110円に迫る水準まで円安・ドル高方向に動いたことも、自動車など輸出関連株を中心にした買いを誘った。
米国によるイランへの経済制裁が原油需給を引き締めるとの見方も、鉱業や石油などの関連銘柄の買いを促した。
 
時価総額首位であるトヨタが9日発表した決算が市場予想と比べて良好な内容となり、日本企業全体の収益の先行きに対する警戒を和らげた面もある。テルモやダイキン、塩野義も決算発表後に買いが広がり、相場を押し上げる原動力になった。
 
ただ、相場は伸び悩む場面もあった。心理的な節目である2万2500円を上回ると、利益確定の売りが広がりやすかった。円相場が下げ渋った局面では、海外ヘッジファンドなどが株価指数先物へ売りを出した。
明日にオプションSQを控え様子見ムードも拭いきれなかった。日経平均2万2500円近辺では戻り売り圧力が強く、上値の重さも意識されたようだ。
 
衆参両院は10日、国家戦略特区を活用した学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、元首相秘書官の柳瀬唯夫経済産業審議官を参考人招致した。柳瀬氏は首相官邸で加計学園関係者と面会したと認めたが、安倍晋三首相の関与は否定し、株式相場の反応は限られた。
 
JPX日経インデックス400も反発。終値は38.49ポイント高の1万5679.81だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、4.71ポイント高の1777.62で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で2兆6308億円。売買高は15億4244万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は991、値下がりは989と拮抗した。変わらずは103銘柄だった。
 
業種別株価指数(全33業種)は輸送用機器、銀行業、金属製品が上昇し、情報・通信業、繊維製品、空運業は下落した。
 
個別では、トヨタ自動車が売買代金トップで続伸、最終黒字となる決算を発表した三菱自が大幅高。信越化や東エレク、日東電といった半導体関連の上げも目立った。
武田薬品工業も堅調。東海カーボン、昭和電工なども買われた。
有沢製作所が一時ストップ高に買われ、日本ユニシスも商いを伴い、値を飛ばした。カカクコム、スクロールが物色人気となり、三越伊勢丹ホールディングスも値を上げた。
 
半面、任天堂が安く、営業最高益となる決算を発表したソフトバンクグループも軟調。東レ、ヤクルト本社が売られたほか、スズキ、デンソーも冴えない。オプテックスグループ、LIFULLが大幅安、ミツバの下げも目立った。古河電気工業、日清紡ホールディングスなども下落した。
 
東証2部株価指数は前日比10.46ポイント安の7112.90ポイントと続落した。
出来高1億1024万株。値上がり銘柄数は220、値下がり銘柄数は215となった。
 
個別では省電舎ホールディングス、日本食品化工、バナーズ、本州化学工業、ロンシール工業など12銘柄が年初来安値を更新。東亜石油、アイスタディ、アップルインターナショナル、セントラル総合開発、ぷらっとホームが売られた。
 
一方、日本電通、北陸電話工事がストップ高。高松機械工業は一時ストップ高と値を飛ばした。SYSKEN、TTK、日本リーテック、ソルコム、カンロなど17銘柄は年初来高値を更新。青山財産ネットワークス、MCJ、技研ホールディングス、黒谷、フライトホールディングスが買われた。